褒められればやる気起きる


  自転車に乗った小二くらいの男の子二人が、歩いている私の横を走り抜けて
行きながら、後ろの子が「こんにちは」と言った。私も「こんにちは、元気がいいね、
おりこうだね」と言った。すると、前を走っていた子が自転車を止めて振り向くと
「おばあちゃん、こんにちは」と言った。私も「こんにちは、元気がいいね。
おりこうだね」と前の子と同じようにあいさつを返すと、二人の小学生はちょっと
はにかみながら笑顔で走り去った。

私の幼いころは弟妹の子守をしていると近所のおばさんが「子守をしておりこうだね」
と言い、庭の掃除をしていると通り掛かりの人が誰彼なく「家の手伝いをしておりこう
だね」と言った。

私はは褒められるのがうれしくて、お使いに行ったり食事の手伝いをした。それは
私だけではない。どこの子供も自分のできる仕事をして、褒められてうれしくて、
それにより自信がつき、働く喜びを知り、あいさつなど社会人としてのルールを
身につけていった。

今、このように子供たちをストレート褒める言葉を聞かなくなった。人は褒められて
初めて自分のよさに気付き、やる気が起きるのではなかろうか。

                   静岡新聞 平成18年4月  水谷 文子さまより  


 
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