計 ら い

( は  か  ら  い )



 
インド人は、挨拶のとき合掌して、「 ナノス・テー 」 と言います。「 おはよう 」 も 「 こんにちは 」 も 「 さよなら 」 も、すべて 「 ナマス・テー 」 です。

“ ナマス ” というのは、ヒンディー語で 「 尊敬します 」 の意。 “ テー ” は、「 あなた 」ですから、「 あなたを尊敬します 」 という意味です。

仏教経典が中国語に翻訳されたときに、“ ナマス ” 又は “ ナマッハ ”、 “ ナモ ”  は “南無 ”  と訳されました。

“ 南無 ” を音訳すると、 「 帰依 」 とか 「 帰命 」となります。 「 帰命 」 とは、「 おのれの身命を投げうって帰依すること、すべてを仏に委ねること 」 を言います。

わかりやすく言えば、━ おまかせする ━ ということです。

私たちは、日常生活のなかでさまざまな 「 はからい 」 を持っています。 「 どうしたら得をするだろうか 」 「 どのように育ててら、子供に損をしない人生を送らせてやれるだろうか 」 なと゛と、あれこれはからっています。
しかし、よくよく考えてみれば、あれこれはからってみても、うまくいくかどうか、これはわからないことです。そういうはからいは、とても頼りないものです。
自分であれこれはからってみても、うまくいくかどうか、私たちには所詮わからないことです。このさい、すべてのはからいを、仏さまにお任せしましょう。

「 南無 」 とは自分のはからいを捨てて、おまかせすることです。

 仏教において、 「 正しい 」 とは、 「 真理に合っている 」 とか 「 調和がとれている 」 ことを意味します。すなわち、「 中道 」 いうことです。

「 いい加減 」 という言葉があります。日本語では、中途半端で投げやりな態度で仕事をやっていると、 「 そんないい加減なことをするな! 」 叱られます。

中国ては、この 「 いい加減 」 を “ マーフー ” ( 馬虎 ) と、 “ マーマーフーフー ” ( 馬馬虎虎 ) ということばで使い分けています。 「 そんないい加減なことをしてはいけません 」 というときは “ 馬虎 ” で 「 まあ、いい加減にのんびりやろうよ 」 というのが “ マーマーフーフー” です。

お風呂の湯加減を考えてください。熱い湯の好きな人には、熱い湯が 「 いい加減 」 です。ぬるい湯の好きな人には、ぬるい湯が 「 いい加減 」 です。それぞれの 「 いい加減 」 があります。私たちは、なにか杓子定規に、これをやる人が正しい、こういう人間がすばらしいと、型にはめようとしますが、じつは 「 いい加減 」 がいちばんいいのです。

「 もっといい加減にやりなさい 」 と言いたいです。いまの私たちは、もっといい加減になったほうがいいと思います。

『 自分にも人にも、「イイカゲン」に!!! 』


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